ここでは鈍角すなわち
の三角比を考えていきます。
鋭角の三角形は,三角形の図を書くことで比較的分かりやすく導くことができましたが,
鈍角三角形では半径が1の単位円を使って考えると良いと思います。
本来,単位円を学習するのは数学Uですが,ここで学習しておくと良いと思います。
では,単位円を使ってみましょう。
まず,鋭角のときを使って考えます。
まず半径1の半円を書き,半径を斜辺とし,一つの頂点を半円の中心に取る鋭角の
直角三角形を考えます。
とします。
このとき,
,
,
とおくことができます。これを鈍角にもあてはめて考えると,図は,
となり,
,
,
とおくことができます。
ただし,
のとき,
は負の数となるので,
,
となります。
では次に
の三角比について考えてみましょう。
単位円に
の図を書きます。そうすると三角形の相似から
となるので,
となります。
とあわせてしっかりと覚えましょう。
さらに
のときを考えます。先ほどのような単位円を使って考えると,
,
,
,
,
,
となります。ここで気をつけないといけないのは
です。
なので,
より
は定義されません。